ANAが、人気キャラクター「ちいかわ」とコラボした特別塗装機を発表しました。
このニュースを見ると、「話題になればANAの利益も増えるのでは?」と思うかもしれません。
- ちいかわジェットに乗るため、利用者は本当に増えるの?
- グッズ販売は、ANAの利益にどこまでつながるの?
- 人気が落ち着いた後も、効果は続くの?
りゅう私は、飛行機を単なる移動手段ではなく、「乗ること自体が目的になる体験」へ変える戦略だと感じました。
この記事では、ちいかわジェットの概要と、キャラクターコラボを利益につなげられるかを見る3つの数字を整理します👇
- ちいかわジェットの就航時期と機内サービス
- 話題が売上・利益へ変わる仕組み
- 投資家が確認したい搭乗率・客単価・費用対効果


✈️ ちいかわジェットは2026年10月下旬に就航予定
まず日付を整理すると、ANAは2026年8月3日に「ちいかわ」とのコラボを発表しました。この記事を作成した2026年9月14日時点ではまだ就航前で、国内線での運航開始は2026年10月下旬の予定です。
| 項目 | 公式発表の内容 |
|---|---|
| 機材 | ボーイング767-300 |
| 機体番号 | JA609A |
| 就航予定 | 2026年10月下旬 |
| 運航 | ANA国内線 |
| 機内演出 | オリジナルのヘッドレストカバー、紙コップ |
| グッズ | ANA制服姿のキャラクターを使った商品を今後発表予定 |
機体には、ちいかわ、ハチワレ、うさぎなど8キャラクターが描かれます。機内でも専用デザインの備品を使い、搭乗した瞬間からコラボの世界観を感じられる設計です。
ANAの特設サイトには投入される可能性がある路線として、羽田発着の新千歳・伊丹・松山・広島・福岡・長崎・那覇などが掲載されています。ただし、運航路線は当日まで確定しないと案内されています。



「この便を予約すれば必ず乗れる」とは限らない点は、利用者にも投資家にも大事な前提です。
🎟️ 移動手段を「乗ることが目的の体験」へ変える
飛行機の基本的な役割は、人を目的地まで運ぶことです。価格、出発時刻、空港の利便性で選ぶ人が多いサービスでもあります。
でも、特別塗装機に乗ること自体が思い出になれば、選ばれる理由が一つ増えます。子ども連れの家族やファンにとっては、空港で機体を見つけるところから旅行が始まるわけです。
私がこのコラボで注目するのは、飛行機の機能を変えずに、「どの航空会社で移動するか」という選択に感情的な価値を加えていることです。
写真や動画がSNSで共有されれば、広告だけでは届かなかった人にもANAの存在を思い出してもらえます。さらに、限定グッズや旅行を組み合わせた企画へ広げられれば、接点を搭乗前後まで伸ばせる可能性があります。
💰 話題が売上・利益へ変わる仕組み
キャラクターコラボには、家族連れやファンの注目を集める力があります。ただし、SNSで話題になることと、会社の利益が増えることは別です。


利益につながる流れは、大きく3段階に分けられます。
- 知ってもらう:特別塗装機やSNS投稿で注目を集める
- 選んでもらう:他社便ではなくANA便を選ぶ、旅行そのものを計画する
- 追加で買ってもらう:グッズ、旅行商品、空港店舗などへ利用を広げる
一方で、機体の塗装、ライセンス、専用備品、商品の企画・在庫、広告などには費用がかかります。増えた売上から変動費とコラボ費用を引いて、初めて利益への貢献が見えてきます。



「かわいい」「話題になった」で止めず、追加で生まれた売上が費用を上回ったかまで見るのが投資家の視点です。
📊 ANA国内線の現在地
ちいかわジェットの効果を考える前に、ANA国内線の現在地を確認しておきましょう。ANAホールディングスの2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)では、国内線の旅客数と座席利用率は前年同期を上回りました。
| ANA国内旅客 | 2025年度1Q | 2026年度1Q | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 旅客数 | 1,024万3千人 | 1,064万2千人 | +3.9% |
| 座席利用率 | 71.6% | 75.6% | +4.0ポイント |
| 旅客収入 | 1,619億円 | 1,636億円 | +1.1% |
| 旅客単価 | 15,806円 | 15,379円 | ▲2.7% |
旅客数は増え、座席も埋まりました。しかし、旅客単価は2.7%下がり、旅客収入の伸びは1.1%にとどまっています。
つまり、利用者数や搭乗率が上がるだけでは十分ではありません。値引きに頼らず選ばれ、1人あたりの収入も維持できているかを見る必要があります。
ANAホールディングス全体では、同四半期の売上高が6,727億円と第1四半期として過去最高でした。一方、燃油費などの増加で営業利益は前年同期比43.5%減の207億円です。売上が増えても、費用がそれ以上に増えれば利益は減る。この構造は、コラボ施策を見るときも同じです。
✅ 投資家が見るべき3つの数字
ちいかわジェットが本当に収益へ貢献したかを見るために、私は次の3つを確認します。
- 座席利用率と旅客数:就航後の国内線でレジャー需要が増え、空席を減らせたか
- 旅客単価と付帯収入:安売りで人数を増やしただけでなく、1人あたり収入やグッズ・機内販売などが伸びたか
- 費用対効果:塗装、ライセンス、商品開発、販促などの費用を上回る利益効果が出たか
ただし、ちいかわジェットは1機の施策です。決算資料だけで、このコラボ単独の効果を正確に切り分けるのは難しいでしょう。会社がグッズ販売状況やキャンペーン反響を開示するか、国内線の単価と搭乗率がどう動くかを合わせて見る必要があります。
短期的な売上だけでなく、ANAマイレージクラブへの登録、次回利用、旅行商品の購入など、ファンとの関係が継続するかも大切です。1回乗って終わるのか、次の予約につながるのかで価値は大きく変わります。
⚠️ キャラクタービジネスの注意点
キャラクターの人気は、大きな集客力になります。でも、人気の波や流行の変化によって、同じ企画の反応が薄れる可能性もあります。
さらに、予約した便に必ず特別塗装機が投入されるわけではありません。期待していた利用者が乗れなければ、満足度を下げるリスクもあります。運航上の都合と、ファンの期待をどう両立するかが課題です。
グッズも、売り切れれば機会損失になり、作りすぎれば在庫を抱えます。人気があるから何を出しても利益になる、とは限りません。
大切なのは、一時的な話題を搭乗、物販、会員化、再利用へつなげる仕組みを持っているかです。
📝 まとめ
ANAのちいかわジェットは、2026年10月下旬に国内線へ就航する予定です。飛行機を単なる移動手段から、乗ること自体を楽しむ体験へ変える取り組みだと私は見ています。
- 話題性だけでなく、座席利用率と旅客数が伸びたか
- 旅客単価やグッズなどの付帯収入が増えたか
- 追加売上がコラボ費用を上回り、利益につながったか
投資家としては、「ちいかわだから人気が出そう」で終わらず、企業がその人気を持続的な売上と利益へ変えられるかを見ることが大切です。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。投資には元本割れを含むリスクがあり、利益を保証するものではありません。最終的な投資判断は、ご自身の責任で行ってください。








