2026年の春闘で、大手企業の月例賃金の引き上げ額が平均約2万円となり、過去最高を更新したというニュースが出ました。
給料が上がるのは、もちろん素晴らしいことです。でも、ニュースのコメント欄では「結局、物価高で消える」「手取りはそこまで増えない」という声も目立ちますよね。

- 平均2万円なら、手取りも2万円増えるの?
- 給料が上がっているのに、なぜ生活が楽になった感じがしない?
- 物価高が続く時代に、何から備えればいい?
りゅうこの違和感は、単なる気のせいではありません。ニュースの「2万円」が何を表す数字なのかを分けて見ると、家計の実感とズレる理由が見えてきます。
この記事では、賃上げニュースの正しい見方と、物価高のなかで生活の安定をつくる考え方をお伝えします👇
- 「平均約2万円」の対象と注意点
- 賃上げと手取り、生活実感がズレる理由
- 給料だけに頼らず、お金にも働いてもらうための第一歩
📈 大手企業の賃上げ「平均約2万円」は本当?
結論から言うと、数字自体は本当です。
経団連が2026年5月27日に公表した第1回集計では、大手企業103社の月例賃金の引き上げ額は、加重平均で1万9,964円、引き上げ率は5.46%でした。
引き上げ額は、現在の加重平均による集計方式になった1976年以降で最高です。賃上げの流れが続いていることは、前向きに受け止めていいニュースだと思います。
| ニュースの数字 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1万9,964円 | 月例賃金の引き上げ額 | 手取りの増加額ではない |
| 5.46% | 回答・妥結した企業の引き上げ率 | すべての働く人の平均ではない |
| 103社 | 金額を集計できた大手企業 | 原則500人以上の大手企業が調査対象 |
💰 なぜ「手取りは2万円増えない」のか
一番大きな理由は、賃上げ額と手取りの増加額は別物だからです。
- 発表される賃上げ額は、税金や社会保険料が引かれる前の金額
- 定期昇給を含むため、純粋なベースアップとは一致しない
- あくまで平均なので、会社・業種・年齢・雇用形態によって差がある
仮に額面の給与が上がっても、所得税や住民税、社会保険料の影響で、その金額がそのまま口座に振り込まれるわけではありません。実際の手取り増加額は、人によって変わります。



「2万円も上がったはずなのに、そんな実感がない」と感じても不思議ではないんだよね。まずは額面、手取り、実質的な購買力を分けて考えることが大切です。
🛒 給料が上がっても不安が消えにくい理由
生活の実感を考えるときは、賃上げ率だけでなく物価の水準を見る必要があります。
総務省の2026年6月の消費者物価指数では、総合指数は2020年を100として113.6、前年同月比では1.7%上昇しました。
さらに、食料の指数は128.6、前年同月比では3.2%上昇しています。毎日の買い物で触れる品目ほど値上がりしていれば、全体の物価上昇率以上に負担を感じる家庭もあります。
| 確認する数字 | 2026年6月 | 読み方 |
|---|---|---|
| 消費者物価・総合 | 113.6 | 2020年より物価水準が13.6%高い |
| 総合の前年同月比 | +1.7% | 直近1年でも物価が上昇 |
| 食料 | 128.6 | 2020年より食料の水準が28.6%高い |
| 食料の前年同月比 | +3.2% | 家計で実感しやすい品目の上昇が続く |
一方、厚生労働省の2026年5月分速報では、物価を差し引いた実質賃金(現金給与総額)は前年同月比でプラスでした。足元で賃金の購買力が改善している面も、きちんと見るべきです。
でも、前年同月比がプラスになったことと、数年間に積み上がった値上げの負担がすぐ消えることは同じではありません。家庭ごとに買うものも違うため、統計が改善しても生活実感には時間差が出ます。
⛽ イラン情勢は日本の家計にどう影響する?
中東情勢が緊迫すると、日本の家計には原油価格や輸送コストを通じて影響が及ぶ可能性があります。
日本銀行の2026年4月の展望レポートは、中東情勢を受けた原油価格の上昇が、企業収益や家計の実質所得を下押しする要因になると説明しています。
原油価格が上がると、ガソリンや電気だけでなく、工場の稼働、商品の包装、トラックや船での輸送など、幅広いコストへ波及します。それが最終的に商品の価格へ転嫁されれば、賃上げの効果を弱める可能性があります。
ただし、ここは断定しすぎないことも大切です。IEAの2026年7月の石油市場レポートでは、一時停戦を背景に原油価格が下落し、ホルムズ海峡を通る輸送が回復したとされています。一方で、正常化は輸送の回復と恒久的な和平に左右され、再び緊張が高まるリスクも残っています。
🏛️ 生活の安定には「収入の柱を一本にしない」
給料は、生活を支える大切な土台です。私は、給与収入を軽く見るべきだとは思っていません。
でも、収入を自分が働く一本だけに依存すると、物価、税金、社会保険料、会社の業績など、自分では決めにくい変化の影響を受け続けます。


だからこそ、将来のお金の不安を減らしたい人ほど、給料だけでなくお金にも働いてもらう仕組みを少しずつつくっています。
給料を否定するのではなく、給料という大切な土台の上に、貯蓄や長期の資産形成を重ねていく。
これが、物価や働き方が変わっても慌てにくい家計をつくる考え方です。



大切なのは、いきなり投資だけで生活しようとすることではありません。給与という土台を守りながら、依存先を一つずつ減らしていくことです。
📚 第一歩は「投資すること」より「投資を学ぶこと」
お金に働いてもらうと聞くと、すぐに株を買わなければいけないと思う人もいるかもしれません。でも、最初の目的は商品を買うことではなく、自分のお金をどう守り、どう育てるかを学ぶことです。
- 家計を整える:毎月の収支を把握し、急な支出に備える現金を確保する
- 目的を決める:いつ、何のために、いくら必要なのかを言葉にする
- リスクを知る:値下がりや元本割れがあることを前提に、分散と長期の考え方を学ぶ
- 小さく始める:生活に必要なお金を使わず、続けられる範囲で経験を積む
投資は、毎月決まった金額が入る「第二の給料」ではありません。価格は上がることも下がることもあります。
それでも、働いて得たお金の一部を将来の資産へ変え、お金が成長する可能性を持たせることは、収入の柱を増やすための重要な第一歩になります。
✅ まとめ:賃上げを喜びながら、その先の備えも始めよう
大手企業の賃上げ額が平均約2万円となったことは、前向きなニュースです。ただ、その数字だけで将来のお金の不安がすべて消えるわけではありません。
- 「約2万円」は手取り増ではなく、定期昇給などを含む大手企業の平均
- 生活実感を見るには、賃上げ率だけでなく累積した物価水準も確認する
- 給料を土台にしながら、貯蓄と投資でお金にも働いてもらう準備をする
私は、投資の本当の目的は、一発で大きく儲けることではなく、将来の選択肢を増やすことだと思っています。
物価高や税金の変化を自分だけで止めることはできません。でも、お金について学び、収入や資産の持ち方を変えていくことはできます。今も不安が続いている人にこそ、まずは投資を学ぶ大切さに気づいてほしいです。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。投資には元本割れを含むリスクがあり、利益を保証するものではありません。最終的な投資判断は、ご自身の責任で行ってください。



